2016年に公開された君の名は。大ブームでしたね。
わたしは、映画公開時に見たのですが、
あれ?あの出来事はこれにつながってるの?
あの言葉の意味は何だったの?
と、何度も見直した映画でした。
今回は、その中の疑問のひとつ、「かたわれ時」を解き明かしてみたいと思います。
なお、君の名は。のストーリーのネタバレはありませんが、
お話の一部は出てきますので、本編を見る前には決して読まないでください。
私は、君の名は。を楽しみにし過ぎて映画サイトのネタバレを読んでから映画を見てしまい、感動し損ねた組です(笑)
目次
君の名は。のカタワレ時は糸守の方言である
カタワレ時というのは君の名はに出てくる糸守で使われている方言です。
映画の中で作られた造語ですので、実際の日本語としては「カワタレ時」はありません。
では、どうして「かたわれ時」の方言が糸守できたかのか?
そのくだりが、映画の中の三葉(みつは)の国語の授業の中で出てきます。
誰そ彼と われをな問いそ 九月の 露に濡れつつ君待つわれそ
万葉集の授業中のユキちゃん先生の説明には、こうありました。
「誰そ彼、これが黄昏時の語源ね。これが黄昏時は分かるでしょう?」
「夕方、昼でも夜でもない時間。人の輪郭がぼやけて、彼が誰だか分からなくなる時間。人ならざるものに出あうかもしれない時間。
魔物や死者に出くわすから『逢魔が時』なんて言葉もあるけれど、もっと古くは
『かれたそ時』とか『かはたれ時』とか言ったそうです。」
つまり、黄昏 → 「誰ぞ彼」 → 「彼ぞ誰」かれぞだれ:彼が誰か見分けがつかない時間帯→これが「かれそたれ」」「彼は誰(カレハタレ)」
これが「タソガレドキ」「タソカレドキ」などと変換されてきて、作中では更に「カレソタレドキ」→「カレタソドキ」→「カワタレドキ」→「カタワレドキ」と方言として展開させているようです。
ちなみに、この三葉の古典の先生として出てくる、ユキちゃん先生は、新海誠監督の「言の葉の庭」に出てくる雪野先生のようですよ。
では、君の名はに出てくる「かたわれ時」とはいつのこと?
かたわれ時は、黄昏時から作った映画の中の造語であるため、黄昏時と同じと考えられます。
映画では、夕方の夕日が沈むまでの時間を片割れ時としていますね。
夕日が沈んだ瞬間に、かたわれ時は終わってしまい、二人は別々の時間に戻ってしまいます。
まぁ、映画を見れば夕方から夜にかけての夕焼けのシーンでかたわれ時を使っているので黄昏時は夕方なんだなと、わかるのですが、実際の黄昏時はもう少し違う時間を指すようですよ。
実際の黄昏時とは?
では、実際の黄昏時はいつか?と調べてみました。
WIKIによると、
一日のうち日没直後、雲のない西の空に夕焼けの名残の「赤さ」」が残る時間帯。
となっています。
つまり、夕日が落ちてしまった後の西の空が赤い時間が黄昏時なんですね。
空の赤みが消えた夕方の時間から、まがとき 禍時と表記するようです。
おお!なるほど!
私は黄昏時と逢魔が時は同じと思っていたのですが、
どうやら黄昏時の次に逢魔が時が来るようです。
かたわれ時に似ている「かわたれ時」はいつの時間?
映画のユキちゃん先生の説明で出てくる、カタワレ時に変換する前の「カワタレ時」はいつの時間をさすのでしょうか?
言葉辞典によると、
カワタレ(彼は誰?)と見分けがつかない薄暗い時間。多くは明け方の時間をさす。
!!明け方!!なのですね!
誰なの彼は?は夕方で
彼は誰なの?は明け方
日本語は深いですね。
ちなみに、「カワタレ時」とググると、もしかして「カタワレ時」?って出てくるのは、君の名は。の凄さと言えますね。
かたわれ時は二重言葉になっている
君の名は。のカタワレ時は、一説によるともう一つ言葉をかけてあるらしいです。
それは夕方を現すカタワレ時と
彗星のカタワレが落ちてくる時間のかたわれ時
もう一つは、三葉と瀧くんが片割れ同士で、片割れに会える時間のかたわれ時も含まれていると思われます。
もしかすると、糸町に伝わる方言のかわたれ時は、彗星のカタワレが落ちてきた時間を忘れないように、かたわれ時と変換して名付けたのかもしれません。
まとめ
「かたわれ時」は映画君の名は。の中の糸守で使われている方言。
実際には無く、映画で作られた造語である。
映画では、夕方の夕日が落ちるまで、夕日が落ちる瞬間までを片割れ時としている
「黄昏時」は夕方の夕日が落ち切った後の、西の空に赤みが残る時間帯
「カワタレ時」は人の顔の見分けが付かない薄暗い時間、明け方の時間をさす。
以上、君の名は。の時間検証でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。